大東亜戦争前に、日本でも大いに流行ったアプトン・シンクレアの戦後の珍本です。デトロイトやシカゴで原子雲が……といったニュースがラジオから流れてくるお話なんです。
かの吉田健一がいち早くジョージ・オーエルの『1984年』を引き合いに出して、翻訳出版の翌年、毎日新聞が出していた『毎日情報』で紹介をしています。
こんな驚くべき本の装幀をかの原弘先生がやっていたとは知りませんでした。それよりこんな本を買っていたなんて、知らなかったなあ。本当にびっくりしました。本の整理はたまにはするもんです。
アプトン・シンクレア/著●並河 亮/訳
原 弘/装幀
中央公論社●
●昭和25年8月5日発行●B6判 139頁 140円
総司令部許可番号 073・07-307●
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