見ての通り、実に面白い表紙である。しかし、この装幀者のことが皆目分からない。
その昔、英米文学の古書価ばなぜか高く、中でもロレンスものは突出がいた。この本もその例で、当時七、八千円はしていて、私は買えなかったのを覚えている。
今から八十年も前に出た本にしては実にきれい。「狐」という題名の作品が掲載されているので、狐が描かれているわけで、それがどうだと詰め寄られても困るが。眺めているだけでも、手元に置いておく価値はある。
これも古書価下落のお陰である。
D.H.ロレンス/著●宮西 豊逸/訳
中田敏夫/装幀
牛山堂●
昭和10年12月10日初版発行●四六判 315頁
↓源義&春樹さんの角川文庫・翻訳文学はこちらへ/
シムノンのメグレ本の装幀についてはこちらへ/
セコメントをする