かの子の本だから、日本画風の装幀にしたのだろうか。内容に即して、表現も過不足なく、画面構成も決まった品のいい装幀である。
装幀者は川島理一郎。私は不勉強で存じ上げない名前だが、アメリカで絵画を学んで戦争を挟んで活躍した洋画家らしい。
岡本かの子の本の装幀の中では、「巴里祭」の再版の息子太郎の仕事が一番と思っているが、これはその次としたい出来である。
岡本かの子/著
装幀/川島 理一郎
創元社●
●昭和14年6月22日発行●B6判 上製箱入り 254頁 1円70銭
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